山野草 帰化植物

日光 山野草

        帰化植物植物とは●     今市市歴史民俗資料館発行「今市植物誌」から
ウォーキングの道すがらいっぱい咲く山野草の花、そのほとんどが外国から密かに持ち込まれ爆発的に成長した外国生まれの花ー帰化植物だという。在来種の野の花は少しになってしまっているという。
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3侵入・拡散経路
一口に帰化植物といっても、種類によって生育環境が大きく異なっている。乾燥地を好むもの、水田や湿地などの湿潤地を好むもの、水中を好むもの、あるいは酸性土壌やアルカリ性土壌を好むものなど様々である。

また、農耕文化の発達とともに入ってきたアジア原産の植物の多くは、水田や農耕地などの農村型環境に適合し、酸性土壌を好む傾向があり、ヨーロッパや南、北アメリカ原産の植物の多くは、乾燥気味の草原や都市型環境に適合し、アルカリ性土壌を好む傾向がある。

外来植物の種子は、各地に運ばれ様々な環境の下で芽をだすが、生育環境に合わないものは次々と姿を消していく。環境に適合したものだけが生き残り、帰化植物として次第に分布を広げていくのである。

 この様な観点から、今市市で帰化植物が多く見られる環境をあげると、次のとおりである。

@農耕地

帰化植物の原点ともいわれるところが農耕地である二古くは弥生時代から農耕文化とともに、随伴植物として入ってきた。今日の水田や畑に生える雑草の多くがそうである。しかし、これら旧帰化植物は現在、帰化植物として扱われていないことから、ここでは江戸中期以降、わが国に入ってきた新帰化植物についてふれることにする。

農耕地といっても様々な環境があり、水田や畑、休耕地など、そこに生える植物も多種多様である。共通しているのは大部分の植物が人間によって無意識に持ち込まれたという点である。そのため害草になっている植物も少なくない。

 環境別に見られる主な植物は次のとおりである。まず、水田ではアメリカアゼナ、アメリカセンダングサ、ホソバヒメミソハギ、ホテイアオイなど。畑ではヒメジョオン、ハルジオン、ハキダメギク、オオイヌノフグリ、オランダミミナグサ、イヌビユ、ホナガイヌビユ、ゼニバアオイなどがある。

 また、休耕地ではオオアレチノギク、ヒメムカシヨモギ、ヒメジョオン、ハルジオン、アメリカセンダングサ、セイタカアワダチソウ、ハキダメギク、アメリカアゼナ、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、ヒメオドリコソウなどがある。

アメリカアゼナ(ゴマニハ 北アメリカ

ヒメオドリコソウ(シソ科 ヨーロッパ)

ヒメジョオン(キク科 
歩きませんか日光〜TOP
今市植物誌
★帰化植物とは
  帰化植物について

  1帰化植物とは

  2渡来した年代

  3侵入・拡散経路

  
4生育環境
山野草・花粉症
A河川敷

 大きな河川ではしばしば溢水などがあり、大きな樹木が育ちにくく、日当たりの良い砂礫地や草原の環境が保たれている。ヨーロッパ、北アメリカなどを原産地とする帰化植物の多くは、このような草原状の生育環境を好むため、河原は農耕地と共に帰化植物の絶好の生育地となっている。

 珂原には砂礫地、草原のような乾燥しているところ、川辺、水溜りの周辺などのような湿地状態のところ、あるいは流水中など、様々な環境があり、生育する植物も様々である。

 環境別に見られる主な植物は次のとおりである。まず、砂榛地、草原などの乾倶地ではオオアレチノギク、ヒメムカシヨモギ、ヘラバヒメジョオン、ブタクサ、オオオナモミ、チチブフジウツギ、オオフタバムグラ、ビロードモウズイカ、アレチマツヨイグサ、カラメドハギ、ムシトリデシコ、シロザ、ケアリタソウ、シナダレスズメガヤ、コイチゴツナギなどがある。

 次に、水辺などの湿潤地ではアメリカセンダングサ、セイタカアワダチソウ、ヒロハホウキギク、オオハンゴンソウ、キパナノマツバニンジン、ハルザキヤマガラシ、ハイコヌカグサ、オオクサキビなどがある。また、流水中ではコカナダモ、オランダガラシ、オオカワヂシャなどがある。

カラメドハギ(マメ科 アジア大陸)

ヒロハホウキギク(キク科北 アメリカ)

オオクサキヒ(イネ科 北アメリカ)

コカナダモ(トチカガミ科 北アメリカ)

B道路沿い、

 自動車や人間の往来が激しい国道、県道、市道沿いなどは、帰化植物にとって分布を広げるのに格好の場所である。

 こうした環境には乾燥とアルカリ性に強い都市型の帰化植物が多く、セイヨウタンポポ、オニノゲシ、オオアレチノギク、ヒメムカシヨモギ、コセンダングサ、ブタクサ、コスモス、キバナコスモス、オオニシキソウ、コニシキソウ、ツルマンネングサ、マメグンバイナズナなどが見られる。

 農道や畦道、林道などは、農村型の帰化植物が多く、ヒメジョオン、ハルジオン、ハキダメギク、ノボロギク、アレチウリ、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ワルナスビ、ヒレハリソウ、シロツメクサ、オランダミミナグサ、ヒメスイバ、エゾノギシギシ、オニウシノケグサ、ナガハグサなどが見られる。

セイヨウタンポポ(キク科 ヨーロッパ)

オオアレノギク(キク科 南アメリカ)

シロツメグサ(マメ科 ヨーロッパ)

ヒメスイバ(タデ科 ヨーロッパ)


 また、市街地め道路沿いな'どには花壇を作って花を栽培しているところが多く、こうした花壇や庭から逸出した植物が多く見られる。特に日光杉並木街道沿いには、逸出したと見られる局化植物が多く、ハナダイコン、オオキンケイギク、キヌガサギク、コスモス、キバナコスモス、ミツパオオハンゴンソウ、フランスギク、マルバアサガオ、ムラサキカタバミ、シュウカイドウなどが見られる。

ハナダイコン(アブラナ科 中国)

フランスギク(キク科 ヨーロッパ)

シュウカイドウ(中国

ムラハキカタバミ(カタバミ科 南アメリカ)
C牧場周辺

大規模な牧場を持った酪農経営は、外国から入って来たもので、当然、飼料に使われる牧草の種子も外国から輸入されたものである。牧草にはイネ科の植物が多く用いられ、これらの植物には和名と牧草名がつけられている。例えばオオアワガエリにはチモシー、カモガヤにはオーチャードグラス、ネズミムギにはイタリアンライグラスなどである。

 イネ科の帰化植物には、これらの牧草が牧場などから逸出し、広く野生化したものが少なくない。例えばオオアワガエリ、カモガヤ、ネズミムギ、ナガハグサ、オオスズメノカタビラ、ホソムギ、オニウシノケグサ、オオスズメノテッポウ、シラゲガヤ、コヌカグサ、ハルガヤなどがあげられる。

 またマメ科のシロツメクサ、アカッメクサなども牧草として輸入されたものである。また、これら牧草の種子に混入し、随伴植物として渡来したと思われる植物も牧場やその周辺に見られる。例えばセイヨウノコギリソウ、コテングクワガタ、ヒメスイバなどがあげられる。中でもコテングクワガタは群馬県内の牧場で初めて確認され、今市市の大笹牧場、栗山村の日陰牧場、上栗山牧場、藤原町横川地内の牧場など、各地の牧場内で見られる。

カモガヤ(イネ科 ヨーロッパ)

セイヨウノコギリソウ

コテンクワガタ(ゴマノハグサ科 ヨーロッパ

アカツメグサ(マメ科 ヨーロッパ
D埋立地

 近年、利用価値が少ない湿地、沼沢地などが、工場、住宅などを建てる目的や、産業廃棄物としての残土捨て場などとして埋め立てられている。

今市市でもかつて、サギソウが生育していた木和田島地内や手岡地内の湿地が、大規模に埋め立てられている。この埋め立てに使われる土砂は、何年もかけて、県内はもとより関東一円から運び込まれている。これらの土砂の中には、都会の残土など人間の生活に密接に関係する地域のものが多く含まれており、土と一緒に運ばれてきた帰化植物の種子が、新天地で一斉に芽をだすのである。

 埋立地は運び込まれる土砂によって様々な植物が出現し、その後1年で姿を消すものから数年にわたって見られるもの、定着するものまで変化に富んでいる。

植生も独特で、草丈の低いものからはじまり、年を追うヒとに草丈が高くなり、最終的にはススキの草原に変化していく。このように、埋立地は環境が急激に変わるため、一時的な植物が多く見られ、その中には今市市では埋立地でしか確認されていない帰化植物もある二例えばマメカミツレ、クソニンジン、イガオナモミ、アメリカオニアザミ、アレチノギク、ヒナキキョウソウ、シロバナチョウセンアサガオ、マッバゼリ、マッヨイグサ、ユウゲショウ、ナガミヒナゲシ、アツミゲシ、オキジムシロ、コバナキジムシロ、カラクサガラシ、セリバヒニンソウ、シロバナマンテマ、ヒメアオゲイトウ、ウラジロアカザ、ゴウシュウアリタソウ、アレチギシギシ、ハイミチヤナギ、メリケンガヤツリ、シマスズメノヒエなどがあげられる。

アメリカオニアザミ(キク科ヨーロッパ)

マツヨイグサ(アカバナ科 南アメリカ)

ヒメアオ・・(ヒユ科北アメリカ)

メリケン・・(アヤメ科ヨーロッパ)
E伐採跡地

 今市市の森林は、山地帯を除きぼとんどがスギ、ヒノキの人工林からなっている。里山といわれるコナラ林(雑木山)は利用価値が少ないため減少してしまい、それに代わってスギ、ヒノキの植林が大半を占めているのが現状である。人工林といっても植林後40〜50年も経つと林床は安定し、帰化植物の進入はほとんど見られない。

しかし、伐採のため人間が入り、環境が変わると植生も大きく変わってしまう。この変化した場所にいち早く侵入するのが帰化植物である。これらの多くは伐採作業の際に人間が無意識的に持ち込んだものである。

 この伐採跡地にいち早く顔をだす帰化植物がダンドボロギク、ベニバナボロギク、ノボロギクであり、この3種は伐採跡地を代表する植物といえる。その他ではヨウシュヤマゴボウ、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、ヒメジョオン、アメリカセンダングサ、オニノゲシ、アレチマツヨイグサ、オオイヌタデなどが見られる。しかし、これらの植物は、植林後数年で姿を消してしまうことが多い。

ダンドボロギク(キク科 北アメリカ)

ベニバナボロギク(キク科 アメリカ)

ノボロギク(キク科 北アメリカ)

ヨウシュヤマゴボウ(北アメリカ)
参考資料
 今市市植物誌 Vol2 帰化植物
   今市市歴史民俗資料館 栃木県今市市平ヶ崎27−1
        TEL 0288−22−6217

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